Natural Gas
 
Ongaku Senka 1976-08 (538)
今、西海岸を中心に、多くの注目を集めているのが、ナチュラル・ガスだ。日本では7月にデビュー盤がリリースされるがその香り高いサウンドは、新たなるシーンの誕生をも思わせる。そこで本誌では、この話題のグループに緊急インタビューを試みた(メンバーの横顔は別項参照)。 
 
Q. ピーター、ナチュラル・ガスというグループ名は誰のアイデアだろう。スター性十分のいい名前だね。
Peter Wood: そうかい。ボクも気に入ってるんだ。覚えやすく印象に残るバンド名だろ。これは発案者のジェリーに聞くのが一番さ。
Jerry Shirley: まず3つの条件を作ってみたんだ。あんまり作為的なものじゃなく、オーバーすぎず、それでいて誰もが興味をつないでくれる面白いものであること。 名前負けになるんじゃみっともないからね。(笑) ある晩キッチンにいる時ふっと考えついたものさ。音楽の楽しさを自然にこの身体から発散させよう、という意味を持っている。どう、ちょっと古くさいかな?
Q. そんなことないよ。君たちのロックにマッチしてると思う。 じゃ次の質問に移ろう。これは日本以外でもそうだろうけど君たちはスーパー・グループとして大きな期待を担ってるわけでしょう。スーパー・グループと呼ばれることに抵抗感はやっぱりあるのかな?
 
★過去の栄光を乗りこえて
Mark Clarke: 難しいところだ。ボクら全員在籍してたユーライア・ヒープ、バッドフィンガー、ハンブル・パイなどのバンドよりもっと大きな集団を作り上げようというところからスタートしてるんだ。これまで以上にハードな仕事になるだろうこともみんな気がついてるしね。ただ スーパー・グループ として騒ぎたてることは、直接ボクらとは関係のない次元での話だと思ってる。
Q. ロック・ファンが心配してるのは、これまでスーパー・グループは長続きしなかった例が圧倒的に多いことなんだけど。
Mark: セッション的な感じでバンド組むとどうしてもそうなるケースは多いね。
Q. でも君たちはデビュー・アルバムで聞く限り協調性を第一に考えるようだね。
Mark: メンバー間の結びつきもあのサウンドに表われた通りさ。互いのパワーをガンガンぶつけ合うのがこれまでのスーパー・グループだとしたら、ボクらはスーパー・グループとは呼べないよ。警戒心なんてまるで必要ないし。
Q: そこが不思議だね。メンバーそれぞれのエゴはどういう風に解消してるのかな?
Peter: キミはミュージシャンは全て自己顕示欲のかたまりだと考えるのかい。そういう人間もいるのは、ボクらの長いキャリアの中でも何人か知ってるよ。そうでなきゃ自分の力を出せない人間はいるもんだ。ボクら自己中心的な奴とはバンド組まないことにしたんだ。もっと普通の人間として見てほしいね。みんなのやりたい事をごく普通にやっていけばいいんだよ。そんなところでつっぱらなくてもボクらは力が出せるから。 
Ongaku Senka 1976-08
★協調路線を強調
Q: じゃ今度はジョセフに聞いてみよう。バッドフィンガーでの長いキャリアの中で一番の収穫は何だと思う?
Joey Molland: そりゃ簡単さ。キャリアの積み重ねの中で今のバンドが出来上がったってことが一番。ぼくにとってバッドフィンガーというバンドは学校みたいなもの。ナチュラル・ガスが出来上るまで5年間いい勉強させてもらったということさ。その学校も今は卒業だね。(笑)
Q: ジェリーはどう思う?
Jerry: ジョイの言い方は少々きついな。ピーター・フランプトン、スティーヴ・マリオットらと友人になれたことはよかったと思う。 それと、ぼくたちのバンドで言っておきたいことは、メンバーが誰も俺が! という飛び抜けた考えを持っていないこと。その点ハンブル・パイ時代になかったものなんだ。
Natural Gas 1976-08 Ongaku Senka 2
★クリエイション知ってる?
Q: ビルボード誌はキミたちの音楽を Good Basic Rock と言ったけど、キミたち自身はどう言うのかな? これはピートに聞こう。
Peter: Good Basic Rock とはうまく言ってくれたと思う。ビルボードは俺たちをわかってくれてるんだね。グッド・メロディック・ロックンロール そんな言い方も出来るんじゃないかな。メロディーも重要視してるからね。
Q: デビュー・アルバムでは特にA面の出来が良いように思うけど、ピートはどの曲をベスト・トラックだと思う?
Peter: A面と言うのは正解だ。あたってるよ、ホント。(笑) バラードで出来がいいと思ってるのは「愛の歌をもう一度」というA面2曲目のやつね。ロックンロールでは「ユー・キャン・ドゥー・イット」というA面3曲目が自信作。キミはどうかな?
Q: 難しい質問だよ。こまったね(笑)。言えることはメロディーがどれも新鮮だということ。
Peter: うん。そのためにもボクらはヴォーカル・パートを大切にしてるんだ。
Q: ところでプロデューサーはフェリックス・パパラルディーでしょう。以前からの知りあいなの?
Mark: プライベート・ストックの社長ラリー・ユータル氏とパパラルディーは友人なんだ。それとボクらと彼もまんざら知らない仲でもなかったからね。
 
続きは、以下の画像2枚で 
Ongaku Senka 1976-08 b
Ongaku Senka 1976-08 c
 
Natural Gas が Natural Gus になっててちょっと恥ずかしい。 このインタビューでは Mark Clarke が半分以上の12回も話してる。Jerry Shirley の4回、Peter Wood の5回はいいとして、Joey が1回喋っただけって、ちょっとバランス悪くない?
Natural Gas 1976-08 Ongaku Senka
 
これも Natural Gus みたい。
Natural Gas gUs
Toshiba 1976 ad
 
 
 [Magazine] Natural Gas / Billboard (March-September 1976) 
 [Magazine] Natural Gas / Cash Box (March-October 1976) 
 [Magazine] Natural Gas / Record World (March-July 1976) 
 Natural Gas 
 Natural Gas (Gonzo: HST465CD) / Live From The Vault (Gonzo: HST467CD) 
 [Bootleg] Natural Gas / Live from the Vault (Aug 17, 1976) 
 [Can Badge Maker] Natural Gas 
 [Natural Gas の半分] Magnet / Worldwide Attraction (1979)