Gary Walker & the Rain / Album No 1 (1968)
1967年2月5日、初めて Walker Brothers が日本の土を踏みました。それから3ヶ月後の5月3日、突如解散。そして、Scott, John, Gary はそれぞれの道を歩み始めたのはご存じのとおりです。一足先にソロとしてデビューした John と Scott が活躍を始めているというのに、Gary は一向にカムバックせず、ファンをやきもきさせていました。そして1967年の秋に The Rain というグループを結成したという知らせが入ったのです。オリジナルは Gary と John Lawson と Joey Molland、そして Michael Williams の4人でしたが、デビュー曲 Spooky/スプーキー をレコーディングする寸前に Michael がテレビ俳優に転向したためメンバーを抜け、Paul Crane が加わりました。Michael は現在、Scott のパーソナル・マネージャーをしています。
そして、1968年1月に Walkers さよなら公演を日本で行うため、John、Scott, Gary がやって来ました。Gary は単独で Cutie Morning Moon/恋の朝焼け を Scott の指揮のもとでレコーディング。この時 Gary は、Rain を第二の Beatles に仕立てるつもりだと張り切っていました。この頃は、日夜ひとつの家で4人は寝起きを共にし、ヒット作りにあれこれ知恵を絞っていたのです。 3月に Gary は再度来日しました。そして7月に Scott と一緒に Gary & the Rain は日本にやってくることを約束していったのです。
4月にはイギリスで、Rain 初のステージが繰り広げられました。 The Herd, The Tremeloes といった先輩のグループと伍して、すばらしい人気をイギリス中で獲得した Rain は着々とティーンエイジャーのアイドルとしての足場を作っていきました。
7月、Scott は来日できなかったとはいえ、Gary と Rain の素晴らしいステージは、日本中のファンを魅了しました。その一生懸命な真面目なパフォーマンスと、茶目っ気たっぷりのステージ・マナー、そして幅広いレパートリー、演奏技術に多少の難点があったとはいえ、立派に成長した Rain は輝かしい成功を収めました。
自作曲を数曲、初めて披露してくれましたが、その時の曲の他に、来日寸前にレコーディングしたという新曲ばかりを収めたのが、このアルバムです。特に自信作だけあって The View/孤独の影 と Magazine Woman/マガジン・ウーマン はヒット性に富んだ曲です。 新しさを適度に盛り込み、あくまでもヒット性を第一に考えて作られている Rain の曲は聞いて楽しく、また Rain の個性にマッチしていて、必ず日本でもビッグ・ヒットを放つことでしょう。
全員まだ20-22歳という若者たちですが、それぞれ、音楽界でのキャリアは長く、ディスコティックやクラブではプレーヤーとして技術を磨いていました。Michael Williams の後スカウトされた Paul Crane は、大の Beatles ファンで、Liverpool では Cavern Club の常連だったと語っていました。彼のハスキーで、ちょっと甘ったれた歌声は、Rain の看板として、またその上手さにおいて注目するところです。
ここに収められている曲は、Rain 全員が作詞・作曲、プロデュースしたという意欲作ばかりです。ある曲は、アート・ロック風に、ある曲はサイコ調に、いろいろな工夫とアイディアと努力がそこここに見られることでしょう。 星加ルミ子
Scott は来日できなかったとはいえ
Scott の穴を埋めるため、当初予定されていた演奏時間を30分ほど延ばし、約90分に。
Scott 来日中止に伴い、チケットの払い戻しにも応じたが、実際に払い戻されたのは15%ほどだったらしい。
作詞・作曲
3曲はカバー
プロデュース
実質的な Producer は ex-Four Pennies の Fritz Fryer 。その後、Stackridge のデビュー盤も プロデュースしていて、僕にはお馴染みの人。
同行マネージャー 2名 Bob Adcock / Brian Slater
来日初日の宿泊はホテル・ニュージャパンで、その時の部屋割りは
809号室 Gary と Bob Adcock (Manager)
823号室 Paul と John
828号室 Joey と Brian Slater (Road Manager)
Bob Adcock は Rain 解散後、Iveys が Ron に代わるメンバーを探しているという情報を Joey に伝えた人物。その後も Badfinger 1972年の US tour の際、Mike に代わる drummer として Rob Stawinski を紹介している。できるマネージャーって感じか?
Brian Slater も Joey と 大きく関わっている。 ex-Masterminds で、彼に代わって Joey が加入している。当時放送されたドキュメント番組で動く Masterminds を今でも見ることができる。 Rain 帰国後、ステージ上での接触事故で Joey が感電した時、Brian の素早い行動で大事に至らなかったということもあった。
1968/ LP Philips:SFX-7133 Album No 1
2007/02/28 CD Philips/Universal:UICY-93236
2009/07/03 CD Universal:0-06024-9846790-9 [+3 bonus]
The Walker Brothers / Best of the Walker Brothers
1996/09/26 CD Philips:PHCA-4121 23.Spooky 24.The View
The Walker Brothers
2000/11/27 2CD BR Music:BS-81222 Disc:2-3.Spooky 8.Come in You'll Get Pneumonia
New Musical Express Best Hits [various artists]
1968/ LP Philips:SFL-7364 Side:2-2.Spooky
Perfumed Garden II [various artists]
1983/ LP Psycho Records:PSYCHO 15 Side:2-6.Francis - Gary Walker & The Rain [14 songs]
1994/ CD Reverberation:2 13.Francis - Gary Walker & The Rain [14 songs -2 +4 bonus]
2003/ CD Past & Present Records:PAPR CD2042 13.Francis - Gary Walker & The Rain [14 songs +3 bonus] 1983年LPの14曲+1994年CDの4 bonus の内の3曲
Glass Orchid Aftermath (Rubble 16) [various artists]
1991/ LP Past & Present Records:PAPR L016 Side:1-1.Francis - Gary Walker & The Rain
Electric Sugarcube Flashbacks [various artists]
1993/ CD AIP Records:AIP CD 1054 21.The View 22.If You Don't Come Back - Gary Walker & The Rain
Love, Peace & Poetry: British Psychedelic Music [various artists]
2001/11/27 CD Q.D.K. Media:CD 041 2.Magazine Woman - Gary Walker & The Rain
2001/11/27 LP Q.D.K. Media:LP 041 Side:1-2.Magazine Woman - Gary Walker & The Rain
さらに詳しくは
Badfinger Library Pages by Tom Brennan
And lovely days of my own past (シルバームーン店主のプライベート音楽史)
Rain 来日時のこと や、その後のこと。 写真多数あり
★ [日本] ゲイリー・ウォーカーとザ・レイン Gary Walker & The Rain
★ Gary Walker & The Rain / Album No. 1 (2020 analog vinyl reissues)
★ [biography] Joey Molland / Gary Walker & the Rain
★ Gary Walker & the Rain
★ 詰め合わせ
★ [Acetate] Gary Walker & The Rain
1967年2月5日、初めて Walker Brothers が日本の土を踏みました。それから3ヶ月後の5月3日、突如解散。そして、Scott, John, Gary はそれぞれの道を歩み始めたのはご存じのとおりです。一足先にソロとしてデビューした John と Scott が活躍を始めているというのに、Gary は一向にカムバックせず、ファンをやきもきさせていました。そして1967年の秋に The Rain というグループを結成したという知らせが入ったのです。オリジナルは Gary と John Lawson と Joey Molland、そして Michael Williams の4人でしたが、デビュー曲 Spooky/スプーキー をレコーディングする寸前に Michael がテレビ俳優に転向したためメンバーを抜け、Paul Crane が加わりました。Michael は現在、Scott のパーソナル・マネージャーをしています。
そして、1968年1月に Walkers さよなら公演を日本で行うため、John、Scott, Gary がやって来ました。Gary は単独で Cutie Morning Moon/恋の朝焼け を Scott の指揮のもとでレコーディング。この時 Gary は、Rain を第二の Beatles に仕立てるつもりだと張り切っていました。この頃は、日夜ひとつの家で4人は寝起きを共にし、ヒット作りにあれこれ知恵を絞っていたのです。 3月に Gary は再度来日しました。そして7月に Scott と一緒に Gary & the Rain は日本にやってくることを約束していったのです。
4月にはイギリスで、Rain 初のステージが繰り広げられました。 The Herd, The Tremeloes といった先輩のグループと伍して、すばらしい人気をイギリス中で獲得した Rain は着々とティーンエイジャーのアイドルとしての足場を作っていきました。
7月、Scott は来日できなかったとはいえ、Gary と Rain の素晴らしいステージは、日本中のファンを魅了しました。その一生懸命な真面目なパフォーマンスと、茶目っ気たっぷりのステージ・マナー、そして幅広いレパートリー、演奏技術に多少の難点があったとはいえ、立派に成長した Rain は輝かしい成功を収めました。
自作曲を数曲、初めて披露してくれましたが、その時の曲の他に、来日寸前にレコーディングしたという新曲ばかりを収めたのが、このアルバムです。特に自信作だけあって The View/孤独の影 と Magazine Woman/マガジン・ウーマン はヒット性に富んだ曲です。 新しさを適度に盛り込み、あくまでもヒット性を第一に考えて作られている Rain の曲は聞いて楽しく、また Rain の個性にマッチしていて、必ず日本でもビッグ・ヒットを放つことでしょう。
全員まだ20-22歳という若者たちですが、それぞれ、音楽界でのキャリアは長く、ディスコティックやクラブではプレーヤーとして技術を磨いていました。Michael Williams の後スカウトされた Paul Crane は、大の Beatles ファンで、Liverpool では Cavern Club の常連だったと語っていました。彼のハスキーで、ちょっと甘ったれた歌声は、Rain の看板として、またその上手さにおいて注目するところです。
ここに収められている曲は、Rain 全員が作詞・作曲、プロデュースしたという意欲作ばかりです。ある曲は、アート・ロック風に、ある曲はサイコ調に、いろいろな工夫とアイディアと努力がそこここに見られることでしょう。 星加ルミ子
Scott は来日できなかったとはいえ
Scott の穴を埋めるため、当初予定されていた演奏時間を30分ほど延ばし、約90分に。
Scott 来日中止に伴い、チケットの払い戻しにも応じたが、実際に払い戻されたのは15%ほどだったらしい。
作詞・作曲
3曲はカバー
プロデュース
実質的な Producer は ex-Four Pennies の Fritz Fryer 。その後、Stackridge のデビュー盤も プロデュースしていて、僕にはお馴染みの人。
同行マネージャー 2名 Bob Adcock / Brian Slater
来日初日の宿泊はホテル・ニュージャパンで、その時の部屋割りは
809号室 Gary と Bob Adcock (Manager)
823号室 Paul と John
828号室 Joey と Brian Slater (Road Manager)
Bob Adcock は Rain 解散後、Iveys が Ron に代わるメンバーを探しているという情報を Joey に伝えた人物。その後も Badfinger 1972年の US tour の際、Mike に代わる drummer として Rob Stawinski を紹介している。できるマネージャーって感じか?
Brian Slater も Joey と 大きく関わっている。 ex-Masterminds で、彼に代わって Joey が加入している。当時放送されたドキュメント番組で動く Masterminds を今でも見ることができる。 Rain 帰国後、ステージ上での接触事故で Joey が感電した時、Brian の素早い行動で大事に至らなかったということもあった。
1968/ LP Philips:SFX-7133 Album No 1
2007/02/28 CD Philips/Universal:UICY-93236
2009/07/03 CD Universal:0-06024-9846790-9 [+3 bonus]
The Walker Brothers / Best of the Walker Brothers
1996/09/26 CD Philips:PHCA-4121 23.Spooky 24.The View
The Walker Brothers
2000/11/27 2CD BR Music:BS-81222 Disc:2-3.Spooky 8.Come in You'll Get Pneumonia
New Musical Express Best Hits [various artists]
1968/ LP Philips:SFL-7364 Side:2-2.Spooky
Perfumed Garden II [various artists]
1983/ LP Psycho Records:PSYCHO 15 Side:2-6.Francis - Gary Walker & The Rain [14 songs]
1994/ CD Reverberation:2 13.Francis - Gary Walker & The Rain [14 songs -2 +4 bonus]
2003/ CD Past & Present Records:PAPR CD2042 13.Francis - Gary Walker & The Rain [14 songs +3 bonus] 1983年LPの14曲+1994年CDの4 bonus の内の3曲
Glass Orchid Aftermath (Rubble 16) [various artists]
1991/ LP Past & Present Records:PAPR L016 Side:1-1.Francis - Gary Walker & The Rain
Electric Sugarcube Flashbacks [various artists]
1993/ CD AIP Records:AIP CD 1054 21.The View 22.If You Don't Come Back - Gary Walker & The Rain
Love, Peace & Poetry: British Psychedelic Music [various artists]
2001/11/27 CD Q.D.K. Media:CD 041 2.Magazine Woman - Gary Walker & The Rain
2001/11/27 LP Q.D.K. Media:LP 041 Side:1-2.Magazine Woman - Gary Walker & The Rain
さらに詳しくは
Badfinger Library Pages by Tom Brennan
And lovely days of my own past (シルバームーン店主のプライベート音楽史)
Rain 来日時のこと や、その後のこと。 写真多数あり
★ [日本] ゲイリー・ウォーカーとザ・レイン Gary Walker & The Rain
★ Gary Walker & The Rain / Album No. 1 (2020 analog vinyl reissues)
★ [biography] Joey Molland / Gary Walker & the Rain
★ Gary Walker & the Rain
★ 詰め合わせ
★ [Acetate] Gary Walker & The Rain